痔の治療Hemorrhoids

痔はポピュラーな病気です

3人に1人は痔もちです

「いぼ痔・切れ痔・痔ろう(あな痔)」の3つを合わせて「痔」と呼ばれることが多いようですが、正確には肛門周辺、または肛門全体の病気(疾患)をまとめて「痔」と呼びます。

痔は、それぞれ「原因・症状・治療法」が異なりますので、まずは自分がどのタイプの痔なのかを見極めることが大切になってきます。

痔は決して特別な病気ではなく、座りっぱなし、立ちっぱなし、便秘や下痢、冷え、刺激物、タバコなど、日常生活によくあることが原因になり、女性の場合は妊娠や出産などで痔になる方もいらっしゃいます。

はずかしがらず、まずは診察を

痔は診察の際に患部を見せる恥ずかしさから、何もせず我慢をしたままでいたり、市販薬で痛みなどの症状を抑えるだけであったりと、根本的な治療を行わない方も少なくありません。

完全に治らないままで長期間悩む方も多くいらっしゃいますが、痛みや症状はもちろん、鬱屈とした気分を抱えたままでいるのは辛いことだと思います。

また、症状だけで痔だと決め付けて、大腸がんや大腸ポリープであるという場合もありますので、肛門疾患の治療の前には大腸の検査を行ってポリープやがんなどの重大な病気がないかの確認することを推奨しています。

肛門診察の流れと注意点

肛門科は受診しにくいという方が多いと思います。

中でも、一体どういう診察をされるかわからない、痛いというイメージも恐怖感を覚える理由の一つではないかと思います。

しかし、実際には肛門科の診察で痛い処置をするのはごく一部で、ほとんどは痛い処置はありません。

当クリニックでの肛門診察の流れ

診察の準備

女性(男性)専用待合室でお待ちいただいていると、番号でお呼びしますので女性(男性)専用診察室にお入りください。

肛門の診察を希望して来られた患者さんには、今までの経過をお聞きしたのちに、診察ベッドの上に横になっていただきます。

ズボンと下着はちょうどおしりの穴が出るくらいまでずらしていただければ大丈夫です。この間は女性看護師がお手伝い致します。

その上から腰と膝の部分にバスタオルをお掛けし、恥ずかしさが少しでも和らぐよう配慮いたします。

その後診察となります。

診察時の様子

診察の際には、女性看護師が介助をします。

  • まず麻酔のゼリーを塗布して、すべりやすくし、なるべく痛みがなく楽にできるようにします。
    そして肛門に手袋をした人差し指を入れる触診を行います。この触診で、痛むところや、肛門のしこり、腫瘍の有無などを調べます。
  • 次に、肛門鏡と呼ばれる金属の筒を肛門にゆっくりと差し込み中を観察します。切れたり膿んだりした部分の診察ではどうしてもある程度痛むこともあります。
診察時のコツ

リラックスして力を抜くことです。肛門に力が入ってしまうと肛門が器具を締め付けてかえって痛みが増してしまいます。

鼻から息を吸って、開いた口からハアーっと大きなため息をつくように息を吐くと効果的です。

痔核注射療法(ALTA療法)

痔核注射療法(ALTA療法)では「ジオン注」と呼ばれる治療薬を痔核内に投与することにより、痔核を固めて小さくさせ、脱出症状と出血症状を改善します。

痔核を切り取る手術と違って痔核の痛みを感じない部分に注射するため、「傷口から出血する」、「傷口が痛む」といった患者さんの身体的・精神的な負担が軽減されます。