大腸内視鏡検査の流れと注意点
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を入れて大腸内を直接観察する検査です。この内視鏡の先端には、小型の高感度電子カメラが備えられており、大腸のポリープやがん、炎症疾患などの病気を見つけ、診断するのに非常に有用な機器です。
また、組織の一部を採取したり、ポリープや早期がんの切除などもできます。
大腸検査は、下剤により腸の中をきれいにする必要があります。
検査時間は、通常15分程度で終わりますが、腸の長さや形によって個人差があります。また、ポリープ切除を行う場合は30~40分程度です。
当院で施行する無痛大腸内視鏡検査は鎮静剤なしでも7割の患者様が苦痛なく検査を受けられますが、ご希望により検査前に鎮静剤を注射します。薬にアレルギーのある方は必ず申し出てください。
大腸内視鏡検査の流れ
1.検査前日までの食事について

原則として検査前日まで食事に制限はありませんが、繊維質の食べ物は腸の中に残って検査がしづらくなる場合があります。
特にキノコや海藻などはそのままの形で残ります。ですから検査の2日前から食事で消化の悪いもの(繊維が多い、種が多い、キノコや海藻など)は控えてください。
前日の夕食は夜の20:00ぐらいまでにとり、その後は絶食です。水分は摂って構いませんが、水・お茶などの透明な水分以外は摂らないでください。
2.検査当日の注意点
- 常用している薬は確認してから服用してください。
- 糖尿病の方は、検査当日の朝の薬は服用しないでください。
- 現在服用中の薬(現物)はご持参ください。
- 診察券と同意書を受付に提出してください。
- ガスモチン(白色)1錠服用。
- 下剤(洗浄液)を自宅で服用する場合、指定時間の1時間半~2時間で服用してください。
気分が悪くなった場合は、すぐに服用を中止して、当院までご連絡ください。 - 下剤を当院で服用する場合、指定時間にご来院いただきます。
3.検査用下剤の内服

前日の夜に指定の下剤(錠剤)を飲んでいただきます。
当日は約2リットル程度の大腸の洗浄液を2時間ほどかけて飲んでいただき、お腹の中を空にします。 洗浄液内服終了後約2~3時間経過すると、透明な液体状の便となり検査が受けられる状態となります。
当クリニックで来院後に洗浄液を内服する場合には、女性・男性専用ラウンジまたは個室でゆっくりとお過ごしいただけます。自宅で洗浄液を飲んだあとでも、この状態になると、電車やバスなどに乗っても大丈夫でしょう。
4.検査着への着替え

便がきれいになったら、女性・男性専用個室で検査着に着替え、検査室へ移動していただきます。
5.内視鏡検査の施行

まず検査を行いやすくするために腸の動きを抑制する注射を打ちます。
当院で施行する大腸内視鏡検査は鎮静剤なしでも7割の患者様が苦痛なく検査を受けられますが、ご希望により検査前に鎮静剤を注射します。
鎮静剤の強さにより、少しフワッとするだけで普通にお話ししながらごご自身でもモニターを見ながら検査を受けたり、うとうと眠りながら検査を受けたり、熟睡した状態で検査を受けることができます。
検査中はリラックスしてベッドに横向きになっていただきます。

検査は通常横向きで行いますが、大腸をよく観察するために仰向きになっていただく場合もあります。担当医の指示に従ってください。
検査は通常10分~15分ほどで終わります。
6.検査後の注意

検査が終わった後は、安定剤の影響で眠気、ふらつきなどが現れる場合があるので、女性・男性専用個室のリクライニングチェアにて1~2時間程度お休みいただきます。
検査結果は、後日画像を見ながらご説明します。
また、いずれの鎮静法でも検査後に車・バイク・自転車を運転して帰ることはできません。必ず公共交通機関を利用するか、誰かに送り迎えを頼んで帰宅するようにしてください。
鎮静剤を使用しない場合は、検査後すぐに帰っていただけますし、運転することも可能です。
ポリープが発見された場合に関して
当院ではポリープが見つかった場合には基本的にその場で切除することをお勧めしています。一度にたくさんのポリープを切除すると、術後に出血する危険性が2倍3倍と増加するため、原則として一度の検査で切除するポリープの数は2個までとしています。
2cm以上のポリープや、血液をサラサラにするお薬を内服している場合はすぐに切除することができません。
また、検査でポリープを切除した方は出血予防のため検査後1週間は、飲酒、運動、旅行、出張をお控えください。切除後にまれに出血する場合(1%未満)があるため、再度内視鏡による止血を行う場合があります。このような場合に備えて、当院ではポリープ切除を行った患者様全員に院長直通の電話番号をお知らせしています。