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ピロリ菌と胃疾患について

ピロリ菌はどんな菌?

ピロリ菌は、正式名称「ヘリコバクター・ピロリ」と呼ばれる細菌で、1983年にWarrenとMardhall (Lancet 4:1273,1984)により胃の組織に存在することが報告されました。大きさは4ミクロン(4/1000mm)で、2、3回、ゆるやかに右巻きにねじれています。

一方の端には「べん毛」と呼ばれる細長い「しっぽ」(べん毛)が4~8本ついていて、ヘリコプターのようにくるくるまわしながら活発に動きまわることができます。

ピロリ菌の感染者は、年齢が上がるごとに増えやすい傾向にあります。

ピロリ菌は、子供の頃に感染し、一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。ピロリ菌に感染すると、炎症が起こりますが、この時点では、症状のない人がほとんどです。日本では年齢とともにピロリ菌に感染する方が増える傾向にあり、40歳以上では約70%の感染率とも言われています。

ピロリ菌は、主に胃や十二指腸の病気、特に胃がんのリスクを高めますので、感染が分かった場合は、早めの除菌治療を行いましょう。

ピロリ菌によって引き起こされる症状

胃の内部は、胃酸によって強い酸性の状態が保たれており、通常生物は生息できません。しかし、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を体内から作り出して胃酸を中和し、結果として胃の粘膜が傷つけられることになります。ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。感染が長く続くと、最終的には胃粘膜全体に広がり慢性胃炎となります。この慢性胃炎をヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と呼びます。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎によって引き起こされる症状は下記の通りです。

  • 胃もたれ
  • 吐き気
  • 空腹時の痛み
  • 食後の腹痛
  • 食欲不振

などの自覚症状がある方はピロリ菌の検査を受けられることをお勧めします。

ピロリ菌によって引き起こされる病気

慢性胃炎
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。感染が長く続くと、胃粘膜の感染部位は広がっていき、最終的には胃粘膜全体に広がり慢性胃炎となります。この慢性胃炎をヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と呼びます。慢性胃炎が長期間続くと、胃の粘膜の胃液や胃酸などを分泌する組織が減少し、胃の粘膜がうすくやせてしまう「萎縮」が進み「萎縮性胃炎」という状態になります。「萎縮性胃炎」になると、胃液が十分に分泌されないため、食べ物が消化されにくく、食欲不振や、胃もたれの症状があらわれることがあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍
胃潰瘍は、主として胃粘膜守る働きが弱まることで起こります。ピロリ菌感染非ステロイド性抗炎症薬(バファリンなどの解熱鎮痛剤)ストレスにより防御機構が弱まって胃粘膜に傷ができ、それが潰瘍に進みます。一方、十二指腸潰瘍は、胃酸の分泌が高くなり、それが胃酸の攻撃に対する抵抗力が弱い十二指腸の粘膜を傷つけて起こります。

十二指腸潰瘍患者の90%以上、胃潰瘍患者の70~80%がこのピロリ菌に感染している
ことからピロリ菌感染が潰瘍の最大の原因であることがわかります。

ピロリ菌除菌を行わない胃・十二指腸潰瘍の再発率が60~85%もあるのに対して、除菌を行うと再発率は6~11%まで低下します。
胃がん
ピロリ菌に感染すると、年齢とともに胃粘膜の萎縮(胃の老化)が次第に進んでいき、強い胃粘膜の炎症が持続して、胃がんの発生リスクがより高くなります。

ピロリ菌に感染していると年間0.4%の確率で胃がんになる
と統計的に予測されています。40歳の方で80歳まで生きると仮定した場合、胃がんになる確率は40×0.4=16%です。 ピロリ菌は「煙草なみの発がん物質 (WHO=世界保健機関)」です。

除菌治療によりピロリ菌が消失することによって胃がんの発生リスクは減少しますが、一度進んだ胃粘膜の萎縮のため、胃がんの発生が見られないかどうか定期的な胃内視鏡検査が重要となってきます。
また中国の大規模臨床試験では「胃炎の初期の方、軽度の方(=若い方)」に、除菌による胃がん予防効果が大きいことがわかりました。年齢の若いうち(胃炎の初期)に除菌を行うことが発がん防止に最も重要であるといえます。

ピロリ菌除菌前には胃内視鏡検査による萎縮性胃炎などの胃炎の評価・胃内分布などや胃がんの有無を調べておくことをお勧めします。

ピロリ菌の除菌療法の保険適応である疾患

ピロリ菌除菌療法の対象となる人は、下記病気をもつ患者さんです。

  • 内視鏡検査または造影検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 早期胃がんに対する内視鏡的治療後(胃)
  • 内視鏡検査でヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と診断された

※これらの病気でない人が除菌を希望する場合は、医師と相談してください。

ピロリ菌の検査

ピロリ菌に感染しているかどうか、下記の検査で判定を行います。

血液・尿による抗体測定
血液や尿、唾液を採取して、ピロリ菌に感染した際にできる抗体がないかを調べる検査です。
糞便中抗原測定
便を採取して、ピロリ菌の有無を調べる検査です。
尿素呼気検査
検査用の薬を飲む前と後の、呼吸内の二酸化炭素濃度を調べることで、感染の有無を調べる検査です。

<胃カメラを用いた検査>

迅速ウレアーゼ試験
採取した胃の細胞に、ピロリ菌が出す酵素ウレアーゼがないか調べる検査です。
鏡検法
採取した胃の細胞を顕微鏡で確認し、ピロリ菌がいないかを調べる検査です。
培養法
採取した胃の細胞を培養してピロリ菌がいないかを調べる検査です。

ピロリ菌の除菌治療について

ピロリ菌の除菌療法は、2種類の「抗菌薬」と「胃酸の分泌を抑える薬」合計3剤を服用します。
1日2回、7日間服用する治療法です。正しくお薬を服用すれば除菌療法は約80%の確率で成功します。

1回目の除菌療法で除菌できなかった場合は2回目の除菌療法を行います。2種類の「抗菌薬」のうち1種類を別の薬に変えて、再び除菌を行います。2回目の除菌療法も、正しくお薬を服用すれば約80%を超える確率で成功します。1回目2回目を通した除菌できる確率は95%です。

ピロリ菌の除菌治療後について

除菌治療後は、体内にピロリ菌がいないかの判定検査を行います。
この検査でピロリ菌が見つからなければ完了となります。
除菌治療によりピロリ菌が消失することによって胃がんの発生リスクは減少しますが、一度進んだ胃粘膜の萎縮(胃の老化)のため、胃がんの発生が見られないかどうか定期的な胃内視鏡検査が重要となってきます