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潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis: UC)は、直腸から連続性・一面に大腸粘膜の炎症をきたす疾患です。
クローン病とともに炎症性腸疾患に分類されます。

大腸の炎症が再燃と寛解(よく なったり悪くなったり)を繰り返すため、粘血便(ねばねばした粘液や血液が混ざった便)や下痢を、繰り返すことが特徴的な症状です。口内炎や関節炎、静脈の血栓など、大腸や直腸以外での合併症(腸管外合併症)を伴うことがあります。長期(10年以上)かつ広範囲に大腸を侵す場合(全大腸型)にはがんになりやすい傾向があります。ですから、長期間にわたって、定期的に大腸内視鏡検査を行っていくことが重要です。


潰瘍性大腸炎の原因

何らかの遺伝的素因を持つ方で、腸内細菌や食事などの環境因子に対して過剰な免疫反応が引き起こされ、その結果として腸管の慢性炎症が生じると考えられています。難病(特定疾患)に指定されていますが、病気を上手くコントロールすれば、これまでと同様の生活をおくることができます。医師と患者さんが、一緒に病気のことを理解し、協力して治療を継続していくことが重要です。


潰瘍性大腸炎の治療

まずは炎症を抑えて症状を軽減した状態を目指します(寛解導入療法)。 そして症状が軽くなったら、その状態を保ち続ける事です(寛解維持療法)。薬をきちんと続けることが非常に大事です。

お薬による治療

5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤
現在、5-ASA製剤は日本ではサラゾピリン(R)、ペンタサ(R)、アサコール(R)の3種類が使われています。5-ASAは飲み薬ではなく、肛門から注腸するタイプのお薬のため、高濃度の薬を直接患部である大腸に届けることができます。
注腸剤は、病変範囲がS状結腸までの潰瘍性大腸炎に対して用いられます。
ステロイド
潰瘍性大腸炎に対して用いられるステロイド剤はプレドニン(R)で、副腎皮質ホルモンの一種です。5-ASAのみで炎症を抑えることができない患者様に対して強力に炎症を抑えて、症状を軽くすることができる有効な治療薬です。
その反面、感染に対する抵抗力の低下、血糖値の上昇や骨がもろくなるなど、副作用の多い薬剤です。長期に用いると副作用が問題となることが多いので、潰瘍性大腸炎では症状を軽減する目的で短期間だけ用います。
免疫調節薬
使用される免疫調節薬にはイケリン(R)とイムラン(R)があります。これらの薬剤は、免疫を抑える力は強くないので症状を軽減することには用いられませんが、炎症が再燃してくるのを抑える力が強いので、症状を軽い状態のまま維持するために使用されます。
特に、ステロイドを減量してくると症状が再燃してくる患者様に対して用いられることが多いです。副作用として白血球数の低下がまれに起こることがあるので血液検査が必要となります。
白血球除去療法
血液を一度体外に出し、炎症を引き起こす白血球をフィルターで取り除いた後、再び体に戻す治療です。薬を投与するわけではないので、副作用が少ない特色があります。
免疫抑制薬
ステロイドを使用しても症状がよくならない重症例に使用される薬で、サンディミュン(R)、プログラフ(R)の2種類があります。副作用としては、免疫を強力に抑制するので、感染症を起こしやすくなります。また腎臓の機能障害が起きる場合もあるので、採血検査などが必要です。
インフリキシマブ
インフリキシマブ(レミケード(R)は、ステロイドを使用しても症状がよくならない重症例に使用される薬で、炎症を引き起こす免疫細胞を中和する抗体薬です。点滴で2時間程度かけて投与されます。 最初は0、2、6週の3回投与し、その後は8週間ごとに投与を繰り返します。免疫を強力に抑制するので、感染症を起こしやすくなります。
そのため、治療前の感染症の有無の確認などが必要となります。

手術による治療

以下のような患者様には、手術による治療を行います。

  • お薬による治療でも症状が改善しない場合
  • 症状の進行が急激な場合
  • がんも発症している場合

手術は原則として、全ての大腸を摘出することになります。大腸を摘出してしまうと、大腸での水分の吸収が行われなくなりますので、術後の排便回数は増加する傾向にあります。 排便回数を減らすために、回腸(小腸の一部で、大腸につながる部分)で袋をつくり(回腸嚢)、便を溜める機能を持たせた状態で肛門とつなぐような手術(回腸嚢肛門管吻合術)を行います。